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法人カードの利用明細の保管だけでは税務上ダメ?

2018年10月19日
タグ:税務会計
こんにちは、浅野です。

さて皆さまの会社ではAMEXなど、法人名義のクレジットカードを利用されていませんか?

通常クレジットカードには、カード会社からその月ごとに利用明細が発行されますが、法人カードの場合も同様です。
カード利用明細には、いつ、どの店でいくら使ったかが一覧になってますよね。

実務上、このカード会社発行の利用明細を保管するのみで、いちいち領収書は保存する必要がなければとても楽ですね。

実は先日クライアント様より、カード利用明細があるのに、領収書まで入手が必要なのか?とのご質問を頂きました。

結論からいいますと、
・法人税法上は不要(ただし用途について一定の必要情報を記録して置く必要)
・消費税法上は必要

ということで、消費税の課税事業者様に置かれましては残念ながら領収証等も入手、保管されることをお勧めいたします。

気になる理由ですが、消費税法には下記の記載があるからです。

(消費税法30条7項)

事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。

(消費税法30条9項)
(7項に記載の請求書とは)課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項

ここで、「課税資産の譲渡等を行う他の事業者」というのはお店など売主であって、カード会社ではないと考えられます。
よって店側から発行された領収書や請求書等の保管がない限り、消費税の仕入税額控除の証拠がないとみなされ、納付すべき消費税額が大幅upしてしまう危険があるのです!!

ちなみに法人税法にはこのような縛りはありませんので不要と考えられます。

「カード会社の明細があれば十分じゃないか!と私自身が経営者として憤りを感じてしまうぐらい実務感覚に欠ける法律ですが、
来年消費税率も10%に上がり、消費税のマネジメントの重要性が益々高まってきますので、万が一買い物した分の消費税額控除が認められないとなれば大問題ですから、皆様もくれぐれもご注意くださいませ。

(参考)国税庁HP 「カード会社からの請求明細書」

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/18/05.htm



浅野 雅文アサノ マサフミ
代表取締役社長 / 公認会計士 / 税理士
クラス マネージングディレクター