コラム

経理財務業務へのRPA(ロボティクス)導入

2019年07月21日
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今やRPA(Robotic Process Autoration)は労働人口の先細りや、働き方改革が施行されたこととも相まって、ブームを通り越してすっかり市民権を得ており、導入企業が相次いでいます。特に銀行を中心とした金融機関が積極的にこのRPAを導入しており、古巣KPMGの調査でも、業界構成でRPA導入企業の24%が金融業界である旨のデータが公表されています。

これを裏付けるかのように、前職のコンサル時代、金融チームの大半の仕事がRPAのプログラミングを含めたプロジェクトで、新卒のコンサルタントが金融チームに配属されたものの、「仕事がRPAばっかりで面白くない」と愚痴ってたのが、まさにRPAの活況を示していると思います。

本屋に行っても、所狭しとRPAに関する書籍が置かれており、ホワイトカラー革命の切り札として注目されています。「RPAを導入するとどんなメリットがあるのか」については、ロボット(機械)なので、

  • 定型業務について仕事が速い(これまで1時間くらいの作業がたった3分で終わることも)
  • ミスしない(プログラミングされた作業を延々やり続ける)
  • 疲れ知らず(人間のように集中力が切れて業務の精度が落ちるということがない)

という特徴があり、業務効率化だけではなく、業務品質の向上にも寄与する点が挙げられています。また、RPAを導入する際に業務を可視化する必要があるので、「実は非効率だった」「他の人の作業とダブっていた」というような生産性の低い作業のあぶり出しや「あの人にしか分からない」といった属人性を排除できる、という嬉しい副産物もついてきます。

では、今日のコラムの本題ですが、このRPAの経理・財務部への適用については、ものすごい可能性を秘めていると確信しています。経理・財務業務に関して、SAPやOracleのようなERPのみならず、多くの便利なITツールが導入されたとはいえ、煩雑なルーチン業務が依然として多く、またIFRS導入や決算早期化等への対応要求が強くなっており、年々業務量の増大、内容複雑化が生じています。一方で、管理部門の人員抑制のマインドがまだまだ根強く、経理・財務担当者の人数が劇的に増える可能性が低いのが現状です。

では、経理・財務業務に関するRPAの適用例について例えば、で例を挙げると、これまで人手をかけて対応していた業務は概ねロボットで代行可能です。

  1. 複数のExcelデータをもとに別のExcelを作成・統合する作業
  2. 売掛金と銀行から入手した入金情報の照合・消込業務
  3. 滞留在庫や滞留債権を検出し、担当者へ理由を確認するメール発信し、回答結果を整理する作業
  4. 各部門(各子会社)が独自フォーマットで作成している入力フォームから、共通フォーマットに統合する作業
  5. 与信や取引先マスター等の更新
  6. 財務諸表分析シートや残高推移表等の分析表の自動作成
  7. 従業員が申請してきた交通費について、ルートや金額が正しいかのチェック etc...

など、いくらでも出てくる状況です。たくさん出てくる、ということは悲しいかな、それだけ経理・財務部門に煩雑で膨大なルーチン業務がたくさん残っている証左とも言えます。

少し思い出話になりますが、かつてとある一部上場の製造業の財務経理機能の高度化支援業務を行っていた時、私からこのRPAを導入を提案したところ、採用されたことがありました。当時の2017年はまだRPAがそれほど世間的に知られていない時代だったので(まだ2年前ですが・・・)、

『ロボットを導入することで業務効率化が図ることができる!!』

とクライアント先で話題になり、たくさんの部署から問い合わせが集まるとともに、特に経理人材に悩む子会社が積極的に導入に声を上げ、将来的にグループ会社に広げていく流れがすぐにできました。
極めつけはわざわざそのRPAのデモを会長自らプロジェクトルームに見に来られました。この活況ぶりは今では考えられない光景ですが、それだけRPAに生産性向上を期待しているんだ、と当時ですら感じました。

2020年にはRPA導入企業が全体の70%にも及ぶ、という試算も出ています。大企業が先行してRPAをどんどん導入していっていますので、その流れは中小零細企業にも広がっていくだろうと思いますし、その流れが遅ければ、我々が広げていかなければならない、と思っています。